干し芋タツマの商品一覧

2013年4月の“お宝ほしいも”

“蜜芋  安納芋”を有機栽培で育てました。今月は、有機安納ほしいもの丸干し芋です。

安納芋の有機栽培を始めて3年です。
ようやく納得がいく有機安納芋を育てることができました。

一般慣行栽培では、作りたい農産物を、多少土壌や気候に合わなくても、力づくで作ってしまうことができます。
半ば強引に農産物に合う環境にしてしまうことができるからです。
化学肥料で補ったり、無理が生じても土壌消毒や殺菌・殺虫で体裁を整えることができます。

これが有機栽培だとそうはいきません。どうしても制限があります。
制限があるというよりも、その畑に備わっている自然環境(畑や気候、水)に合わない農産物を作ることは無謀といえるでしょう。

ほしいも産地の畑はけっして肥えているとはいえない地力の畑です。
そこで自然と作られるようになったのがサツマイモでした。
ですから干し芋産地でサツマイモを作ることは理にかなっているのですが、有機農業を経験して解ったことは、同じサツマイモでも品種により畑に合う合わないがあることです。
それは有機栽培でも一般慣行栽培でも同じです。
けれど、一般慣行栽培では前述した通りコントロールが利きます。
それが出来ないのが有機栽培です。

有機栽培をしていて畑全体に適しているサツマイモの品種は“いずみ”です。
それに続いて人参芋の“兼六”そして“安納芋”です。
どれも古い品種であるところが面白いところです。
細かくひとつひとつの畑でそれらの品種が合う合わないがあります。
干し芋の主要品種の“玉豊”は有機栽培全体ではあまり相性が良くないのですが、畑により、抜群に良い相性になることがあるから、これも面白いところです。
有機干し芋つくりのための有機サツマイモ生産で、以上のことが解ってきましたし、これからも他の品種で試行錯誤していくつもりです。

安納芋も有機栽培と比較的相性が良い品種でした。
3年前から作付けをしていき、1年目はあまり良い結果ではありませんでしたが、良いものができそうな手応えはありました。
畑を選び、栽培方法を変えることにより、今シーズンは上々の有機安納芋が収穫できました。
まだ作付け面積が限られていますが、この結果から少しずつ作付けを増やすつもりです。

今月はその有機安納芋の丸干し芋です。
小ぶりの安納芋をじっくり蒸かして、皮むきしながら丸干し芋に最適なものだけを選び仕上げました。
丸干し芋は仕上がるまでにとても時間がかかります。
小さいものでも約3週間、大きなものでは1ヶ月ほどかかります。
その間に手入れは欠かせません。
そして、それだけに平干し芋や角切り芋以上に造り手により品質に違いがでる干し芋です。

蜜芋と呼ばれる安納芋は干し芋にしてもその甘さが味わえます。
安納芋を有機栽培で育て、丸干し芋に適したものだけを仕上げたのが今月の干し芋です。

2013年4月5日 株式会社タツマ 福井保久